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2010/11/06



11.初夜

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真選組は男所帯だ。
女は賄いのおばちゃん達しかいない。
ということで、思い出したように始まるのが猥談である。
「・・・・で、彼女が・・」
「マジかよ・・。」
「それで・・・」
ぶっちゃけ大の男が集まって猥談をしている様子は怪しいことこのうえない。
薄暗い部屋でアダルトビデオを見ている奴等もいたが、あれもかなり怪しいもんだった。
まぁ、男ばっかだしなァと思いながら肩を竦めて、隣にいる相手に視線を移した。
物凄くつまらなそうな顔をしている。
「・・・・沖田君」
「なんですかァー旦那ァー?」
「いや、そういや沖田君ってあんまりそういう話しているとこ見たことなかったなぁと思って・・・」
えーと今、幾つだっけ?筆下ろしは終わったのか?と些か下世話なことを考えていると、沖田君はそれはもう素晴らしい笑顔になった。
「・・・・・・・・沖田君?」
「大丈夫ですぜ、旦那ァ。」
「・・・・・・なにが?」
「俺、うまいですから。」
「・・・・・・へェー」
なにを?とは恐ろしくて訊けなかった。
「だから、いつでも誘ってくれていいですぜ。」
「・・・・・・・・・・・・・」
やっぱりなにを?とは訊けなかった。
恐ろしすぎて。
藪から蛇どころか包丁を持った獅子でも出てきそうだ。
「絶対、土方コノヤローよりもうまいですから。」
「・・・・・・へェー」
とりあえずこれ以上の会話は恐ろしかったので用事を思い出したようにしてその場から逃げ出した。


だから、銀はぽつりと呟かれた沖田君の言葉に気付かなかった。
「旦那の初夜ならドS行為は控えたほうがいいかねェ。」
そんな世にも恐ろしい言葉を偶然通り掛った山崎が聞いて、慌てて銀のところに『逃げて旦那ァ~』と悲鳴混じりに飛び込んでちょっとした騒動が勃発するのだった。
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