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2010/08/14


12.朝日

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あたらしいあさがきた。きぼうのあさだ~♪


チャンチャラとラジオから音楽と共にそんな歌が聞こえてきた。
俺は眉間を押さえながら思わず蹴った。
土方を。

ドカっ

「てめー!!いきなりなにしやがる!!」
「・・ああ、朝からうっせェー。徹夜明けに怒鳴り声って頭に響くわ。」
片耳を押さえて肩を竦める。
車のラジオからはラジオ体操の掛け声が聞こえてきた。
テンション低い時にこれ聞くとなんだか腹立つな・・。
「・・・・ラジオ変えてくれ。」
「あ?」
「ラジオ体操なんて朝からテンション下がるもん聞きたくねェーよ。」
「普通は上がるもんなんだよ。」
「朝からテンション高い人って無駄に地球の温度上げてるよな。二酸化炭素たくさん出してるしな。」
「まったくでさー。死ね土方。」
「てめーが死ね!!・・・・アホなこと言ってんじゃねェ。黙って見張ってろ・・って、総悟ォオオー!!言った傍からアイマクスしてんじゃねェーよ!!」
「うっせー土方ー。死ねー。ぐー。」
「ぐーぐー」
「だから!!寝るんじゃねェエエー!!」
「ぐーぐーしねーひじかたー」
「ぐーぐーかんみーあいすー」
「起きろォオー!!」
土方の大声に起こされて俺は仕方なく起きた。沖田君はまだ熟睡中だ。羨ましい。あっ、よく見れば耳栓してんな。俺も今度、用意しておこう。
「ちゃんと見張ってろ!」
「へーへー」
古ぼけたアパートを車の中から見る。今、俺達は張り込みという奴をしている。ドラマとかでは結構見るが実際してみると暇でつまらないし、3人ですることもないような気がする。
やがてアパートの横から朝日が出てくるのが見えた。
ちらりと運転席を見ると土方が真面目にアパートを見ていた。朝日なんて目に入ってないようだ。
真面目な副長さんに俺はとりあえずもう一回蹴りを入れといた。

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